ただ、君の隣にいたいだけ
「緊張してる?」


「・・・少し。でも、頑張るってきめたから」


「大丈夫。みんないいヤツだし、花菜ちゃんのことは話してある。歓迎モードだから胸張っていいから」



朝からずっと緊張していた。いつもならお昼ご飯もたくさん食べるのにおにぎり二つだけ。気分転換にと亮輔さんに誘われ、明海と公園に行ったけれど思うことは一つだけ。


そんなときの時間の過ぎ方はとても早くてあっという間に練習時間が近づいてきた。行こうかと声を掛けられ、緊張し過ぎて吐きそうな自分を奮い立たせる。


アルバイトの初日でこんなに緊張するなんて今までにはない初めての経験。


「今日の練習場所はここだよ」


前を歩く亮輔さんに着いていくとそこは小学校。うちの家からは目と鼻の先。



「人数が多いから小学校の体育館を借りたりしてるんだ。うちのチームだけなら駐車場や事務所の一室なんだけどね。今日は小学校。懐かしいだろ?俺も懐かしいなっていつも思いながら通ってるんだ」



守衛の人にカードを見せた亮輔さんと中に入る。小学校なんていつぶりに来ただろう。目と鼻の先だけど来ることなんてない。



懐かしい。校庭にはよく遊んだ総合遊具。大きな滑り台が二つあってよく友達と滑ったな。
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