オトナになるまで待たないで
店長は、制服に着替えてドリンクバーのメンテナンスをしていた。

私の顔を見て、立ち上がる。


「帰るか?」

「はい。ありがとうございました」

「また、次の日程が決まったら連絡する」


憂うつな気持ちで、頷いた。


「あのバーサン、同席させないようにしようか?」

「私抜きじゃ駄目ですか?」



店長が無言なので、私はあきらめた。

「いいんです。来ます」

「次の検診いつ?」

「……来週です」


特に決めてない。


「いつ?」

「あの……」

「いつ!?」


私はとっさに思いついた。

「水曜日の一時ですっ」


水曜日は店長会議がある。

案の定、店長が顔をこわばらせた。


「時間…ずらせないか?三時とか…」

「予約取るの大変なんですよ。次は二週間先になっちゃいますよ」

「ワタシが連れて行きますから、ご心配なく!」


お、ナイス!


「ワタシがその後、お店に連れてきますから!」


オイッ!!
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