オトナになるまで待たないで
ふらふらと、荷物を掴んで表に出た。


表と言っても、ゴミの集積所だ。


「どうしたの?」


パートのオバサンが近寄ってきた。


「お父さんが…」

「お父さんが?」


その場に崩れ落ちた。

喉の奥から、悲鳴のような泣き声があふれ出た。


ビル中で一番汚い場所に這いつくばって、

地面に頭を打ちつけた。

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