オトナになるまで待たないで
ぼんやりしながら、スタッフルームに入る。

壁に掛かった鏡で自分の顔を確認したけど…

ちっとも腫れてなんかいない。


「お早う~」

「おはようございます」


入ってきた早番の主婦、青木さんも何も気づかない。


「なんか、いい匂いする」


青木さんが言う。


「いい匂い?」

「夏海ちゃんから、いい匂いがする」

「え、私?」

「女の人の匂いがする」
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