LOVE・ホテルに行こう。
オムライスを食べたいと近くのスーパーで材料を購入してマンションに着く。


「ここの5階」


「ふーん」


エレベーターを待つまでの短い会話。


ちょっと狭い、マンション特有のエレベーターに入り両手が塞がってた田村君の代わりにボタンを押した。


私はボタンの前に立ち
田村君は横の壁にもたれ


「美久がここに居るの、不思議な感じ」


ボソッと小さな声で言った。


「だったら帰ろうか?」


「…」


何も返事しないで私を見てる。


「黙らないでよ」


「…帰りたい?」


「うん」


「返事が早い。
…帰りたいって言うなよ」


そう言いながら近寄って来る田村君を牽制して壁際に後ずさる。


「何よ?」


荷物を片手に持ち空いた右手で私の左手を繋ぐ。


「…美久、捕まえた」


「帰らないから手を離してよ」


「泊まっていくの?」


「どうなってそういう事になるのよ、手を離しなさいって」


振りほどこうとして手を揺らすがシッカリ掴んでる田村君の手。


そんなやり取りをしてる間に5階に着いた。


「もうー、圭吾遅いっ。」


一番奥の部屋の前で女の人がこっちを見て
私達の方に歩いて来た。


誰?



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