LOVE・ホテルに行こう。
「うん?」


田村君が私の視線に気付いて顔を傾ける。


「田村君ってそんな性格だった?
冗談も言わない真面目な性格だって思ってたのに」


「冗談くらい会社でも言ってる。美久が俺の事知らなさ過ぎるだけ」


「ふ~ん」


「俺の事もっと知りたい?」


「…別に」


「俺は美久の事もっと知りたいよ」


近付いて来る顔を避けるように視線を反らす。


フフフと笑い


「もしかして、キスするとか思った?」


からかう田村君にカチンとくる。


「…うん。思った」


恥じらう感じで言ってさらに


「田村君、…目閉じて」


見つめながら田村君を挑発する。
ゴクッと喉を鳴らす田村君が目を閉じた。


ククッ。
引っ掛かった~。


田村君のオデコにデコピンをくらわす。


「イッッ、…テー」


オデコを擦る田村君。


「年上をからかうと痛い目にあうって覚えておきなさい。今日はこのくらいにしてあげる」


勝ち誇ったように仁王立ちして田村君を見下ろす。


「ってことで私、帰るね」













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