短編集‥*.°

瑠美side


ん…。

白いのベッドで目を覚ます。

どこだろう、ここ…。

脇腹が痛い。

フッと窓の外をみると、シャンシャンと小雨が降っていた。

…あれ?

雨が赤く見える。

目がおかしくなったかな?

キョロキョロしていると誰かの声がした。

「あ…。瑠美ちゃん、起きたのね…」

…秋也の、お母さんの…カナノさん…?
あれ?

…どうして泣いてるんですか…?

「お姉ちゃん、起きた…っ…」

…美奈?

なんで泣いた跡があるの…?

なに、ここはどこ…?

「…瑠美…起きたのね」

お母さん…。

えっ!?

「…よ、良かったわ…うっ…ううっ…」

なんで!?

なんで泣いてるの?

ねぇ、なんで!?

周りを見渡せば、お父さんとお母さん、美奈と…。

秋也のお父さん、お母さんが居た。

秋也のお父さんが口を開く。

私は秋さんと呼んでいた。

「…瑠美ちゃん、よく聞きなさい」

秋さんが…泣いてる…?

「…君は…同級生の女の子に、秋也と、い、一緒に…うっ…あぁ、あぁぁぁぁぁぁ!!!」

ビクッ!身体が震えて…痛い。

脇腹が、叫ぶほどに。

「秋さん、抑えて!」

なに、これ…?

怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い!

怖い、怖いよ、怖い!

ここはどこ?

どこなの?

どこなのよ!?

ねえってば!

「お父さん、秋さんとカナノさんを外に」

お母さんが話す。

お父さんは黙って頷いて…秋也のお父さんとお母さんを外に連れて行った。

真っ白な部屋。

「…秋也くんは死んだわ」

唐突に、お母さんが言った。

…え?

お母さんが言った?

秋也が…死んだ…?

え、どういう…事…?

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