短編集‥*.°
「…カハッ…!く、楠木さ…しゅう、や…」
「瑠美ぃ!!!!」
私の制服に血が飛んでくる。
うわぁ、キラキラ光って…。
秋也みたいに、美しい。
秋也の血なら、もっと魅力的なんだろう。
なんて、なんて…。
早く殺してワタシノモノニシタイ。
「瑠美!瑠美ぃ!!あぁぁああああ!!」
秋也が泣いている…?
涙がポツポツと地面に跡を残す。
秋也は本当に綺麗だ。
美しい。
まるで、命のない銅像のように…。
好きだよ、ダイスキだよ、秋也…?
「楠木!てめえ、よくも瑠美を…!」
瀬川からは血がドクドク出てる。
顔も真っ青だ。
どうでもいい。
秋也を汚い地面に寝転ばせる訳にはイカナイ…。
「あぁぁぁぁあ!!」
秋也が走ってくる。
あぁ、可愛い、美しい、愛おしいよ、ダイスキ…。
ダイスキだよ、秋也…。
ダカラ
「一緒に死のう?」
__サクッとした感触、とても気持ち良い…。
秋也から力が抜けていく。
好きだよ、大好きだよ、世界一…!
やっと一つになれるね。
秋也の血が流れていく。
あぁ、もったいない。
傷口に口をつけ…。
血をすする。
あれ、美味しい…。
本当に美味しい、なんて美味しいんだろう、秋也の血は!
気が済むまで、血をすする。
美味しい、美味しい、オイシイ…!
満足すると、私は首にカッターナイフを当てた。
「すぐ行くからね、秋也…!」
ブシュッ…!!!
血の噴き出す音。
最期に見えたのは、身体が真っ白な秋也と、目の前に鮮やかに広がった私の血だった。
視界のはしに…。
悶える瀬川が…見え…た…。
スキダヨ、シュウヤ…?
フフフフフ…。