短編集‥*.°

「…カハッ…!く、楠木さ…しゅう、や…」

「瑠美ぃ!!!!」

私の制服に血が飛んでくる。

うわぁ、キラキラ光って…。

秋也みたいに、美しい。

秋也の血なら、もっと魅力的なんだろう。

なんて、なんて…。

早く殺してワタシノモノニシタイ。

「瑠美!瑠美ぃ!!あぁぁああああ!!」

秋也が泣いている…?

涙がポツポツと地面に跡を残す。

秋也は本当に綺麗だ。

美しい。

まるで、命のない銅像のように…。

好きだよ、ダイスキだよ、秋也…?

「楠木!てめえ、よくも瑠美を…!」

瀬川からは血がドクドク出てる。

顔も真っ青だ。

どうでもいい。

秋也を汚い地面に寝転ばせる訳にはイカナイ…。

「あぁぁぁぁあ!!」

秋也が走ってくる。

あぁ、可愛い、美しい、愛おしいよ、ダイスキ…。

ダイスキだよ、秋也…。

ダカラ

「一緒に死のう?」

__サクッとした感触、とても気持ち良い…。

秋也から力が抜けていく。

好きだよ、大好きだよ、世界一…!

やっと一つになれるね。

秋也の血が流れていく。

あぁ、もったいない。

傷口に口をつけ…。

血をすする。

あれ、美味しい…。

本当に美味しい、なんて美味しいんだろう、秋也の血は!

気が済むまで、血をすする。

美味しい、美味しい、オイシイ…!

満足すると、私は首にカッターナイフを当てた。

「すぐ行くからね、秋也…!」

ブシュッ…!!!

血の噴き出す音。

最期に見えたのは、身体が真っ白な秋也と、目の前に鮮やかに広がった私の血だった。

視界のはしに…。

悶える瀬川が…見え…た…。







スキダヨ、シュウヤ…?

フフフフフ…。









< 91 / 139 >

この作品をシェア

pagetop