願い事叶えます
「…それで…どうしてあなたはここへ来たのですか?」
ホシの周りをまわっていたうさぎはいつの間にか消え、ホシの声が響いた
「本当に、わからないんだ…!!気づいたらここにいたんだ…!!」
ジャックは頭を抱えた
何がなんだかわからない
何故こうなった
何故おれはここにいる
何故おれは
「大丈夫です。落ち着いてください」
ホシはぽんとジャックの肩に手を置いた
「あなたがここにくる前の出来事を私に話してもらえませんか?」
「ここに…くる前…?」
ホシが頷くのを見てジャックは記憶を辿った
ここへくる前
ここへくる前
ここへくる前
あ
大事なことを忘れていた
「帰らなければ…」
「へ?」
ジャックらふらりと立ち上がった
「おれは帰らなければいけないんだ!!妹が…!!死んでしまう!!急がなければ!!」
「お、落ち着いてください!私が必ず帰してあげます。
だから今は…!」
ホシはジャックの服の裾を掴むが、ジャックは今にも走り出しそうだった
「離せェ!!!!」
じたばたと暴れジャックはホシの手を払うと部屋の出口に向かって走り出した
そうだ
おれはこんなところにいる場合ではない
「おーい待て待て。まだ帰すわけにはいかないんだよ」
先ほどの金髪の男が部屋の出口で手を広げていた
「どけ!おれは…!」
「"スリープ"」
その声を聞きジャックの意識は途切れてしまった