願い事叶えます






「ーーーという訳で、クジャクはこちらへ来たらしい」



ツキはコーヒーをすすりながらホシに説明した



「ご病気の妹さんが…」



「まあ…あれだよな。そのおばあちゃんは余計なことしてくれたよな」



ツキが言うのをホシは黙って聞いていた




「…確か、ありましたよね」


「何が」



「薬です」



ホシが真剣に言うのを聞いてツキは大きくため息をついた



「まァ確かに魔法界には色々な薬がある。だがなホシ。

それらの薬はおれ達魔法使いのためにあるものだ。人間には使えない…そういう掟だ。

そもそも薬以前の問題だホシ。人間はこの世界にいてはならん。
さっさと記憶を消して向こうの世界に返すべきだな。

こちらに来たルートも分かったわけだし」



「でも!その薬があれば彼の妹さんは元気になるんですよね!?」



「治ることは治るがな…あ」



ツキはしまったという表情をした


一方ホシはにっこりと微笑んでいた




「なるほど」



言うとホシは立ち上がった



「おい待てホシ!!!」



「私は助けたいんです!!」



ホシはいきなり走り出したためツキはしばらく呆然としていたがすぐに彼女の後を追いかけた










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