素顔のキスは残業後に
「そう――…ですか。挨拶じゃなかったのかな」
「?」
長いため息をついた私に、五月さんは首を傾げた。
柏原さん。どうして、あんなことしたんですか?
そんな心の呟きを漏らすのは、もう何十回目だろう。
彼の唇が触れた右の頬にそっと手を添える。
ひんやりとした唇の感触がまだ残っている気がして、頬に添えた指先が熱くなる。
外国では挨拶のような頬に触れるだけのキス。
でもあのとき、拒もうと思えば拒むこともできた。
だけど頬に落ちた唇がそっと離れていったとき、確かに意識してしまった。
『桜井』
耳の奥まで響く掠れた声。それを漏らした唇と私のそれが重なり合うことを――
「?」
長いため息をついた私に、五月さんは首を傾げた。
柏原さん。どうして、あんなことしたんですか?
そんな心の呟きを漏らすのは、もう何十回目だろう。
彼の唇が触れた右の頬にそっと手を添える。
ひんやりとした唇の感触がまだ残っている気がして、頬に添えた指先が熱くなる。
外国では挨拶のような頬に触れるだけのキス。
でもあのとき、拒もうと思えば拒むこともできた。
だけど頬に落ちた唇がそっと離れていったとき、確かに意識してしまった。
『桜井』
耳の奥まで響く掠れた声。それを漏らした唇と私のそれが重なり合うことを――