素顔のキスは残業後に
足を引っ張ることだけはしたくない。
私なりに出来ることを考えて、やってたつもり。

だけど――…


思い出すだけで胸が温かくなる。そんな笑顔を思い出す。

髪に触れられた指先の感触と、簡単に涙腺を緩ませる彼の言葉が蘇る。


『誰かがなんとかしてやりたいって思うんだったら、それがお前の評価だろ』


柏原さんが私によくしてくれるのは、同情なんだと思ってた。
それもあると思う。


だけど、誰かに必要とされること。
自分の居場所を見つけられたみたいで嬉しかった。


素直に嬉しい。

柏原さんに必要とされたことが――
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