素顔のキスは残業後に
彼の空いている左腕がゆっくりと体を伝いながら腰の位置まで落ちていくと、
私の膝を割るように彼の片足に入りこまれて、


こんなところ誰かに見られたら――……

そう思うのに荒く乱れていく吐息と、隙間なく密着する体を意識すると、

また熱が高まってしまう。




どれくらいの時間が過ぎただろう。

吹きつける風の冷たさも感じないほど長く触れ合って、一度強く抱き締められてから唇を解放された。



「やりすぎた?」


拒否権もなく強引にされたかと思えば、
こんな風に乱れた前髪を優しく直してくれる。
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