素顔のキスは残業後に
瞳を陰らせた彼に慌てて首を横に振る。


待ち合わせの人で溢れるこの場所で、180センチを越える身長とは別の意味でも存在感を放つ彼。


すれ違う人から向けられる視線が、くすぐったくないって言ったら嘘になる。


だけど、そんなことよりも――……


骨ばった指先に力が入るだけで、

優しい瞳で見つめられるだけで、

「好き」って気持ちが溢れそうになる。


いつから、こんなに好きになっちゃったのかな?


特別な約束をしなくても、そばにいられることが嬉しい。
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