素顔のキスは残業後に
「それからまた他部署に異動した頃、いま住んでいるマンションの説明会で彼に偶然会ったの。

その帰りに食事に誘われて。それから何度か二人で会うようになって、彼に想いを告げられた。


最初は信じられなかった。
だって私と柏原君では、年が10違うんだもの。

からかわれてるって思ったら、泣けちゃうくらい悔しくて。でも……その涙が乾く頃に気付いたの。


心のどこかで彼が好きだった自分に。
好きだから、彼を変えたかった自分に」


声を震わせて言葉を詰まらせた由梨さんは、カップに落としていた視線を引き上げる。


「ごめんね。友花ちゃんに、こんな話」


「いえ。続けて下さい」
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