素顔のキスは残業後に
きっと不安な由梨さんの気持ちを見据えて、幸せの証を渡そうと思った。

迷う気持ちは微塵もなかったんだろう。


いつだって真摯で強くて、

相手を思いやる優しさを持つ彼を

誇らしく思う。


こんな状況なのにそれを嬉しく感じてしまう自分は、どれだけ彼のことが好きなんだろう。


不意に胸が締めつけられて

膝に視線を落とすと、由梨さんは遠慮がちに口を開いた。

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