素顔のキスは残業後に
何かを変えるきっかけを作りたい。

強く思った気持ちに後悔はない。


だけどそんな想いと同じくらい

心が砕けそうになる自分の弱さがたまらなく嫌になる。


結果はどうであれあの日の約束を守れたら、止まっていた時が流れる気がする。

だから彼と会う約束することを許してほしい。


まっすぐな想いをぶつけてくれた由梨さんに、頷くことしか出来なかった。




駅の到着を告げるアナウンスが流れた。

人波に押されて駅のホームに降りる。


暗い影で覆われた夜空を見上げると手を伸ばしても届かない白い光が、

いつもより遠くに感じた。

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