素顔のキスは残業後に






トイレで化粧直しをしてから総務部に戻った。

照明が半分だけ落とされたフロアーには、雅人がひとり残ってパソコンと向き合っていて、

「お疲れ様です」と声をかける。

彼は少し驚いた顔で私を見つめた。



「あれ? 桜井まだいたんだ。もうとっくに帰ったかと思ってた」


「それはこっちの台詞です。結婚式の準備はいいんですか?」


「あー、うん。彼女に任せっきりでさ」
< 288 / 452 >

この作品をシェア

pagetop