素顔のキスは残業後に
唐突な質問に雅人は瞳をしばたたかせる。

質問の意味さえ分からない彼にちょっと意地悪をしたくなって、こんな言葉を返した。


「普通はね。自分が振った女にそんなこと言わないんだよ。無神経な男って言われちゃうんだから」


「そう……なのか。そっか、そうだよな。俺――…普通じゃないんだな」


「そうだよ。無神経。ちょっとは振られた私のことも考えてよって思ったよ」


そう言ってわざと頬を膨らませると、

雅人は青ざめた顔で「ごめん」と掠れた声を漏らした。


ヤバい。ちょっとやり過ぎちゃった?


(ちょっと意地悪が過ぎたのかもしれない)


雅人は椅子の背もたれにグッタリと体を預ける。
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