素顔のキスは残業後に
納得したふりをして回避することを選択した。


雅人の言葉を聞いて思った。

強い自分を偽るのではなくて素顔の自分を晒せていたら、

ちゃんと向き合って気持ちを伝えていたら、

結果は、変わっていたかもしれないと――……





「じゃぁ、本当に貰っちゃうからね!」


ぼんやりとした意識に明るい声が紛れ込む。

笑顔で頷く私にユカちゃんは「ありがとう、大事にするね」と言い残して、自分のテーブルに戻って行った。

ユカちゃんに手を振りながら思う。
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