素顔のキスは残業後に
そういって熱っぽい吐息が私の鼻先を掠めていくと、

意地悪な囁きを漏らした唇と軽く触れ合う。

少し前の余韻を思い出させるような挑発的な態度が悔しいって思うのに、

ただそれだけで胸が震える。


そんな私を柏原さんは

いつだって簡単に見透かしてしまうから――……


満足そうに細まる彼の瞳を見つめ返すと優しく肩を抱かれ、

耳元で静かに告げられた。



「係長から、全部聞いた」

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