素顔のキスは残業後に
息苦しい沈黙が流れていく。

ただ待つことしかできなくてスイートルームに流れるBGMに耳を傾けていると、

柏原さんは一呼吸置いてから、意外な言葉を口にした。



「係長と電話で話した。桜井が村瀬の結婚式をぶち壊す計画を立ててるって」


意外すぎるそれに――

私の唇からヒュッと変な息が漏れる。



「そっ……そんなことしないですよ、私!?」


もしかして、いや、もしかしなくても。

柏原さんが披露宴会場に全速力で駆けつけて来てくれた理由って、

それなんですか!?


そんな荒くれたことをすると思われたことが心底悲しくて、それ以上声にもならない。

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