素顔のキスは残業後に
そんな私の気持ちを見透かしたように

甘い痺れが走った体ごと反転させられて、背中を優しく抱き締められる。


「噂を信じるとかガキみたいだけど。何か問題があったら報告しろって言ってたのにそれが出来ないのは

上司である俺の指導不足だからな」


耳朶を掠める柔らかい感触。

熱い吐息を吹きつけながら、胸を温かくさせる優しい響きを落としていく。


どうしようもなく嬉しさが込み上げて

お腹に回された腕にそっと手を添えようとすると、体が解放されて力強い腕に体を組み敷かれて

彼の前髪がさらりと鼻を掠めた。


次の瞬間――……

< 377 / 452 >

この作品をシェア

pagetop