素顔のキスは残業後に
彼の右手が私の背中を引き寄せる。

そのまま抱き合うようにキングサイズのベッドに倒れ込んで、肌触りの良いシーツの上に体を静かに寝かされた。


「聞くなよ」


首筋に埋められる顔。熱い吐息が私の耳朶を掠めた。


「えっ」


「私のどこが好きーとか、いつから好きーとか。そんなバカップルみたいなこと」


「そっ、そんなことは――……」


ものすごく聞きたいですけど?

いまは黙っておこう。

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