素顔のキスは残業後に
だっていまの言い方だと、絶対意地悪に返されちゃうよね。


聞きたくて堪らない言葉をなんとか喉の奥に押し戻す。


そんな分かりやすい私の想いは

きっと声にしなくても彼は察してしまうんだろう。


ふっと含み笑いのような吐息が私の耳朶に触れる。


それだけで声にならない声が漏れそうになるのに

柔らかい感触が私の耳朶を離れると、甘い刺激を誘うように首筋から鎖骨へ唇を這わせていく。


鎖骨を滑らせる唇も、

体を優しくなぞりだす指先も、


柏原さんのすべてが愛おしく思える。

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