素顔のキスは残業後に
もっと触れ合っていたいのにそこで唇は引き離されて

艶っぽい瞳で意地悪に囁かれた。



「もの足りなさそうで悪いな。けど、欲しいなら、自分から欲しがれよ」


そう言って、試すような仕草で――

触れ合ったばかりの下唇を親指でなぞり上げられる。


色気を含んだ低い声に囁かれるだけで、勝手に跳ね上がる心臓が本当に悔しいけど

こうして触れ合える喜びを伝えたい。


自然と沸き上がる想いに導かれるように、意地悪な唇を柔らかく塞いで深くキスを求める。


どちらともわからない吐息にベッドルームに響くと

気持ちが高まっていって

もっと深く求め合うように柏原さんの広い背中に手を回す。
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