素顔のキスは残業後に
本編完結から約1週間後。

12月31日 AM9:30



二度寝して再び目覚めた視界の先には、ベッドに片肘をつき、文庫本を読む柏原さんの姿があった。


私が眠っていた時間は、ほんの数十分だと思う。

まだ着るものを身に着けていない彼の素肌が、それを教えてくれる。


男の人なのに、綺麗な体。


綺麗に浮き上がった鎖骨にそんなことを思っていると、整髪料のついていないサラサラの黒髪と同じ色の瞳が私に気づく。


「おはよ」


昨日の夜から何度も重ね合わせた彼の唇に本日二度目の挨拶を告げられ、


「おはよう……ござっ」


返そうとした語尾の言葉は、柔らかい唇に一瞬で奪われてしまった。
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