素顔のキスは残業後に
突然高められた熱に驚き、薄く開いた唇。

それを逃すことなくするりと入り込まれ奥深くまで絡み合う。


まだ付き合いは浅いけど、

私以上に私を知り尽くした指先が刺激を誘うように耳朶をなぞり出すと、自分じゃないような声が漏れそうになる。


この高級マンションは私のとは違い、隣の物音さえ聞こえない防音だとは思う。


けど、ね。

ですけど、ね。

まだ朝なのに、いいんでしょうか、ね?


そんな戸惑いの気持ちや、僅かに残された羞恥心は、

その唇が言葉よりも饒舌に奪い去っていく。


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