素顔のキスは残業後に
ここで、「はい、そうですぅーさすがですぅー」なんて、ニッコリ笑って肯定してやるのもどうなのよ!?

(バカップル丸出しじゃないですか!?)


本気でげんなりした顔を向けてやる。

すると柏原さんから少し長めの吐息が漏れて、彼の吐き出す白い息が暗闇に消えていく。


それをぼんやり見つめていると、

彼の長い足が私の方へ組み返され、ひんやりした指先が私の頬に触れた。


不意打ちのそれにトクンッと反応する鼓動。

それさえも見透かしたような瞳に優しい色が帯びると、静寂に小さな呟きが溶けていった。


「3 俺が、友花のことをすべて知りたいって思ってるから」

頬を熱くさせる最後の選択肢に、照れたような低い声に、心臓が煩く脈を打つ。

それだけでも息苦しいくらいなのに……

彼の意地悪な唇は私のと軽く触れ合いながら、「選べよ?」と挑発的に囁いてくる。
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