素顔のキスは残業後に
こんな状況で選べなんて、ずるい。

艶っぽく色気を増した瞳に訴えかけると、「時間切れ」と甘く囁いた唇が柔らかいキスを重ねた、次の瞬間。

ヒューッ、ドドーンッ

静寂を破る炸裂音が響き渡る。
暗雲で覆われた夜空に鮮やかな大輪が打ち上げられ、予想外の出来事に思わず目が跳ねると

キスを重ねた唇がゆっくりと離れ、温かい眼差しが私だけを見つめた。

「この場所で誰かと新年を迎えるのは、友花が初めてなんだけど?」

不意打ちの優しい響きに胸が突かれる。
そして、柔らかい声が頬に触れた。

「明けましておめでとう」

その言葉にいつの間にか新年を迎えていたことに気づき、「あの花火は街の中心部にある遊園地のものかな?」と思いながら口を開く。

「おめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

なんだか照れくさくて定番中の定番を返すと、「今年限定かよ」と、いたずらっぽい笑みを返された。

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