素顔のキスは残業後に
次の日が土曜でよかった――
まぶたを閉じていても意識はどこかはっきりとしていて、ベッドの中で寝返りを繰り返しながら朝を迎えた。
サイドテーブルに置いた時計に手を伸ばす。
液晶画面に浮かび上がっている時刻は午前11時を10分ほど過ぎていた。
お腹空いたなぁって思ったら、もう昼か。
でも、もう少しこうしてたいな。
カーテンの隙間から射し込む細い光から逃れるように瞳を閉じると、
昨日の出来事が頭に浮かんだ。
トイレから戻ってやけくそ気味にお酒を喉に流し込んだ私に、柏原さんは何かを感じ取ったのか。
しばらくして彼の提案で飲み会はお開きになった。
彼の洞察力がすごいのか、それとも私が分かりやすいのか。
感情をうまく抑えてるつもりでも、なぜだか彼には見透かされてしまっている気がした。