素顔のキスは残業後に
「すげー音。腹でペットでも飼ってんのか?」

「飼ってませんっ!」


熱くなった頬を逸らす。
そんな私に呆れ返った顔を見せた柏原さんは、両手に抱えた白い箱を少し引き上げてから綺麗に笑った。


「とりあえず、約束のモンだけでも中に入れてくんない?」


約束のモノ。なんだっけ?

まだ二日酔いが残る頭を傾けた。

そして箱に貼りつけてある配達票の「カニ他」という文字に、柏葉さんと五月さんの会話を思い出した。


『えー。明日、柊司の実家からカニ届くの?』

『嫌なこった』

『まだなんにも言ってないじゃない!』
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