素顔のキスは残業後に
思い出す。初めて雅人を意識したあのときのことを――
総合職の試験を無事に通ったことを雅人に報告すると、自分のことのように喜んでくれた。
『よかったな。だからお祝いっていうか。桜井が頑張ったご褒美に夕飯おごるよ。あっ。でもそれじゃぁ……
俺へのご褒美になっちゃうかもしれないけど。
――って、なに言ってんだろ。俺』
照れ臭そうに髪を搔きあげた彼がなんだか可笑しくて。
でもその笑顔が忘れられなくて。多分、あの瞬間に好きになっていた。
初めて触れた指先。何度も重ね合った唇。
どの瞬間も愛おしくて大切にしたいと思った。
総合職の試験を無事に通ったことを雅人に報告すると、自分のことのように喜んでくれた。
『よかったな。だからお祝いっていうか。桜井が頑張ったご褒美に夕飯おごるよ。あっ。でもそれじゃぁ……
俺へのご褒美になっちゃうかもしれないけど。
――って、なに言ってんだろ。俺』
照れ臭そうに髪を搔きあげた彼がなんだか可笑しくて。
でもその笑顔が忘れられなくて。多分、あの瞬間に好きになっていた。
初めて触れた指先。何度も重ね合った唇。
どの瞬間も愛おしくて大切にしたいと思った。