駆け引きナシのラブゲーム
「もっと中入れよ、濡れるだろ」

咲夜はそう言って、ぐぃッと私の肩を引き寄せた。

『咲夜は美沙姫が好き』

ふとよぎる、三人の言葉。


ばッばか!何で今思いだしてんのよ!!


咲夜も咲夜で!!

なんで奴はあんなにキス魔なんでしょーか……。

咲夜とのキスに慣れてる自分が怖い…。

頭ってか体おかしくなりそうだわ…


「……美沙姫?」

「…んッ?!」

「…何ボーッとしてんの??」

「あ!え?別に!!?」

「ふ〜ん。あっそ」



そして沈黙。

傘に雨があたる音が響く。

てか、今思ったけど私等だいぶ近くない??!

しかも……
周りから見れば、カップルだよね…。


私は咲夜の顔をうかがうように覗く。


肌綺麗…。まつげ長い…。可愛い唇……。

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