素直じゃない
「オイ、有希。話はまだ終わってねーよ!!」
「だぁっ、もう!だからあたしはあんたのことが、おわっ!?」
ガタンッ、と音を立てたのは、浅香が勢いよく立ちあがったせいで椅子がひっくりかえったから。
だけど、そんなことさえすぐには理解できなかった。
大きく目を見開いた浅香が、あたしの机に手をついてずいっと顔を覗き込んできたから。
「ちょ、っと!!近いんですけど!!」
恥ずかしくなって視線をふいっと横にずらそうとしたけど、それを怒ったように更に顔を近づけてくる。
なんなのこれ!?
「近いってば……っ」
耐えられなくなって、手で浅香の身体を押し退けようとしたけれど、逆にその手首を掴まれてしまう。
「浅香、痛い」
「好きだ」
「……」
あたしの手首を握ったまま、至近距離のまま。
浅香の声が熱っぽく耳に届く。