さかな(下書き)


「…もう、大丈夫です、やっとすっきりしました。
もー…いきなりすぎてどうすればいいかわからなくて…
心の準備もしてなかったし…」

胸を貸してくれた先輩にお礼をいい、携帯を持ち返信を打つ


"うん。わかった。
私も自分勝手でごめんなさい。
あなたを支えてあげれなくてごめんね。

これからも、がんばってね。"


こんなにもたくさん涙は出たのに、スラスラと文を打っていく。
こんなにも苦しいのに、最後まで嫌だと言わず、電話して懇願すればよかったのに、
自分で意地を張って作った壁に負けて、送信ボタンを押す。

(ごめんね、さようなら)

携帯が、彼宛にメールを送信できたと効果音を鳴らした。

仲のいいボーイが慌てながら持ってきたティッシュを
いたずらっ子のように何枚も豪快に出し花粉症かって位の音を店内に響かせ鼻をかむ

近くにあったゴミ箱を掴み自分の所に引き寄せ
携帯を持ち替えホーム画面に戻った。
待ち受けには2人の思い出の写真。
それを見てまた止まらない涙、押し寄せる後悔。

「はぁぁぁ…」



私は、自分の気持ちを隠して彼にサヨナラを告げました……



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