【B】姫と王子の秘密な関係

13.勉強会 - 音羽 -




アキラさんとデートした時間。

その時間は、
ほんの少しだけ私の背中を押してくれるものになった。

今も私の将来がどの方向に行こうとしてるかなんて
正直わからない。

だけど……今、私がやることも将来の私にとっての
経験値になるなら、それも大切なことなのだと思うことが出来たから。




営業さんの思い通りに動くのは癪に障るけど、
だけど……私の決意は、
ストアサブマネージャーの受験をする方向で定まった。



デートの日から一週間。

ちゃんとそのことを、自分の言葉でケジメとして伝えたくて
何故か、営業さんたちを何処かで待ってる私。


私の心が、本部の人の存在を待つなんてなかったんだけど。


だけどミーティング予定日の日も、
緊急事態が起きたとかで、来店は中止。


コンサルティングシートは、FAXで送信されてきた。




コンサルティングシートの記入された、神経質そうな小川の字には
今回も『原価奉仕商品』の強制発注指示がぎっしりと記入されている。



思わずそのシートを見て、握りしめてクシャクシャに丸めてゴミ箱に放り投げたい気持ちを
何とか押し殺して私は何時ものようにシフトについた。




ストアサブマネージャーの試験は、本部が推奨するマニュアルをきっちりクリアすることと、
それ+αの『お客様に喜んでいただける心遣い』をいかに仕事の中で演出することが出来るかどうかって
ことが重要になる。



実技試験は、接客と普段の店内・店外ワーク。


接客はレジ業務、フロアー業務なども含めた全てのお客様とのやり取りを
試験官がチェックして点数をつけていく。

その後は、店内ワークの中で試験官によって指定された業務を的確にこなす。
その際、使うアイテムの名称から、手順に至るまでの全てを後輩に指導する要領で
丁寧に取り扱い方を説明しながら。


後は発注業務。


売り上げデータや、発注の為に独自に作られている計算式を用いながら
過去のデーターを全て把握したうえで、発注予想を立てて、入力していく。

ただ数字を打ち込んで発注するだけでなく、その数字を打ちいれた理由を理論的に説明しながら
こなしていく作業となる。
< 77 / 129 >

この作品をシェア

pagetop