スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「沙知〜やっぱりイケメンやったね〜」
奈緒はニヤニヤしながら私の耳元で言った。
奈緒のこういう女の子っぽいところが時に羨ましい。
どうも、私は彼女のようにテンションをあげることができない。
きっと、男の子からしたら可愛げがないんだろうな・・・と最近思うようになってきた。
「う、うん」
イケメンなのは確かに認める。
でも、やっぱり興味ないですから。
「私、梶原くんがいいなぁ」
奈緒は、すでに梶原くんの方へ向かってる。
必然的に私は笠野くんの相手をすることになった。
笠野くんは、私と目が合うと、ニコッと人懐こそうな笑顔を向けた。
あぁ・・・こういう軽そうな人苦手なんよな・・・。
私は露骨に嫌な顔をしているのではないかと気付き、とっさに笑顔を作った。
「沙知ちゃんっていうんやね〜。『さっちゃん』って呼んでいい?」
はぁ?馴れ馴れしい・・・。
見た目と同じで、中身も軽いのか・・・。
「いいですよ・・・」
私はあからさまに嫌な顔をしていたにちがいない。
「じゃあ、さっちゃん、俺の事は『りゅう』でいいから」
「はぁ・・・」
やばいこの人のテンションについて行けないかも。
早く帰りたい。
「さっちゃん、何か飲む?取ってくるよ」
私は自分で行くと言いかけたが、「気にしないで」と、とても優しい声で言ってくれたので「オレンジジュースがいいな」と頼んでしまった。
強引なだけかと思ったけど、強引さの中にも優しさが見えたことになぜが笑えた。