スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「あっ、木下から電話。ちょっと待ってね」
『ちょっと待ってね』
このちょっとした気遣い、嫌いじゃないな。
私は、隆が電話をしているのを見ていた。
じっくりと見ると、かっこいいよね・・・この人。
私が見とれていると、話が終わった隆が私の方を見たので、慌てて目を逸らした。
「さっちゃん、みんな飯にするんやって。行こうか?」
「もうそんな時間なんやね。早いね」
ホントに早かった。
隆と過ごすのは『楽しい』と思うようになっていた。
しかしこの気持ちは、思う存分乗り物に乗ったから生まれたものだろうと思うようにした。
レストランに入り、食事をするも、やっぱり奈緒と梶原くんは、あまり話してる様子はない。
でも、時折見せる二人の笑顔が幸せそうで、こちらまで嬉しくなって来た。
あの二人、うまくいくといいなぁ。
私は目の前の隆を放って、他人の幸せを望んでいた。