スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「ありがとう。開けていい?」
水色のリボンを解いて開けると、今話題の願いが叶うという、くまのぬいぐるみが入ってた。
「あのさ、女の子へのプレゼントなんて買ったことないから、何がいいのかわからなくて・・・。俺ら、受験生やからいいかな?って・・・」
照れているのか、後ろ髪を触りながら、一生懸命話す姿がかわいらしかった。
それに、隆がこれを選んでる姿を想像したらおかしかった。
「ふふっ」
「どうした?」
突然笑い出した私を覗き込むように、聞いて来た隆の顔は驚きの表情だった。
「隆がこれを選んでるのを想像したら、おかしくって」
笑いを必死で堪えて、話す私に隆は少し膨れながらも、嬉しそうにしていた。
「ひどいな〜。笑うなよ!ってか、ホンマに恥ずかしかった・・・」
「ごめんね」
私は、笑いすぎて出て来た涙を手で拭いながら、謝った。
「いいよ〜。俺こそ、さっちゃんの欲しいものわからんかったから・・・」
「ううん。ありがとう。嬉しいよ」
なんだか嬉しかった。
自分の為に選んでくれたのが嬉しかった。
そして、彼と過ごす時間はやっぱり楽しいと感じていた。
でもそう感じれば感じるほど、彼への罪悪感を抱くようになっていた。