スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「隆、ごめんね。長い間待たせて」
ずっと待っていてくれてありがとう。あなたがいるから、いろんなことを乗り越えることができた。
楽しい思い出もたくさんできた。先生のことも忘れることが・・・・・・できた。
「いいよ。俺は今ここに、さっちゃんが居てくれることが嬉しいから」
そう言って、今日一番の笑顔を私に向けてくれた。
「あっ、隆、さっき『沙知』って呼んでくれたよね?」
二人の睨み合いの中で、少し気になったところだった。
「あっ、いや、あれは・・・・・カッコつけたかったというか・・・・・・」
さっきまでの迫力が嘘みたいに、曖昧な答えしか返ってこないのがおかしかった。
「ふふっ、ねぇ、沙知って呼んでよ」
彼の顔を覗き込むと、「さ・・・ち」と小さな声で呼んでくれた。
「なんで、名前呼ぶだけで真っ赤になってるのよ!」
バシン!と隆の背中を叩くと、「痛っ!!」と顔を歪ませていた。
おかしな人だ。付き合って2年になるのに、名前を呼ぶだけで真っ赤になるなんて。まぁ、そんな彼も好きなんだけどね。
あの日から三島君は、『付き合って』と言わなくなった。そして無事に教育実習も終了した。隆の協力もあって、教員採用試験には合格することができた。