スタートライン~私と先生と彼~【完結】
『大慶高校』
沙知の赴任先・・・・
沙知の母校・・・・・
あいつがいる場所・・・・
うそやろ?
神様はそんなに二人を会わせたいのか?
『運命』
そんな言葉が浮かんだ。
そして口に出していた。
俺の言葉に、明らかに彼女は動揺していた。
「沙知は、大慶高校から逃れられないのだ!」
なんて場違いとは思ったが、笑い飛ばそうとした。
しかしそんな陳腐な笑いは、彼女の言葉によって消されてしまった。
「私さ、心配なんよな・・・」
「ないが??」
俺は口の中にごはんが入ったまま聞いた。
何が心配なんよ?
自分の気持ちがあいつに向くかもしれないことか?
俺のことを忘れてしまいそうとかか?そんなの、俺も心配だよ。
「笠野くん、口の中の食べ物がなくなってから、話しなさいよ」
さっちゃんに注意された。こういうところも好き。こんな会話ができる距離にいたい。
「はぁい。・・・沙知、先生っぽい」
「これじゃ、幼稚園の先生やん!」
「ひどいなぁ〜。それより何が不安なん?」
ティッシュで口元を拭きながら、俺は聞いた。
「ひどいなぁ〜。それより何が不安なん?」
「ちゃんと授業できるかな?」
その心配かぁ。
・・・本当の心配はそれなのかは疑問が残っていたが、俺は応えることにした。
「それは、沙知の努力次第じゃない?初めから上手くできる人なんていないし、いろんな先生に相談に乗ってもらったりして、解決していったらいいんじゃない?もちろん俺も力になるし」
真面目に答えてみた。
「隆、大好き」
沙知は目に涙を溜めて抱きついてきたので、座っているにも関わらず、よろけてしまった。
「ち、ちょっと、沙知?どうしたん?」
突然のことで、動揺を隠せなかった。
「私ね、嬉しいよ。ありがとう」
そう言うと、キスしてくれた。
彼女からキスをしてくれることは少ないので、俺の体は一気に興奮してきた。
もう、そんなかわいいことして!!
俺はわざと寝転んだ。
沙知が俺の上にいる。
そして、再びキスをしてくれた。
沙知、やっぱり今日はおかしいよ?
やっぱり違う不安があるんでしょ。
今日の沙知は、やけに積極的。
俺にとっては嬉しい限りやけど、その理由はきっと・・・。
正直、『大慶高校』と聞いて、身の毛がよだつ気がした。
沙知を取られるのではないか・・・。
俺が『運命』と言った時、明らかに動揺していた。
あいつのことを思い浮かべてたのか?
会いたいと思ったのか?
俺もなんで『運命』なんて使ってしまったんやろう。