スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「沙知〜おはよ〜」
声を掛けて来たのは、原田の友達で隣のクラスの手越 理香だった。
「おはよ〜」
「あれ?沙知、斎藤ちゃんと一緒に通学??」
からかうように手越は、原田に向かって言うと、原田は真っ赤な顔をして否定していた。
「違うよ!!」
「手越、『斎藤ちゃん』ってなんだ?」
「えっ?ははは〜。気にしない、気にしない」
彼女・・・手越は美人だがそれを鼻にはかけないところが周りから人気もある。
そこは、原田と共通しているが、二人のタイプは全く違うので、どこが気が合うのかいつも不思議に思っていた。
まぁ、気まずい空気を打破してくれたからいいか・・・。
「先生、電車に乗ってるなんて珍しいよね?」
こいつは、俺が教師だとわかってるのか?
「あぁ、飲み会あるからな・・・」
隠しても無駄だと思ったから、正直に答えた。
「飲み会って言いながら、合コンでしょ?」
さらに聞いてくる彼女は芸能レポーターのようだった。
「違うよ。男だけだし」
なんでこいつは根掘り葉掘り聞くるんだ!!
「先生の友達だったら、イケメンじゃないの?私も行きたいなぁ。
ねぇ?沙知」
「うん。行きたいなぁ」
えっ?そうなのか?
俺は、思わず原田の方を見てしまったが、彼女の視線は前を向いていた。
「ダメダメ。お子様はちゃんと勉強しろ」
「え〜。だって私、指定校推薦でもう大学決まったし〜」
「手越は決まったか知らないけど、原田はまだセンター試験も控えてるんだぞ」
どれだけ言っても拒否されるのがわかったのか手越は、諦めたようだった。
その様子を見て俺と原田は、目を合わせて笑った。