♀ my prince ♂
「//……」
私は何だか玲央くんの顔が見れなくなって俯く。
や、やっぱりダメだよ…!!すっっごく緊張しちゃう…。
「未亜ちゃん…?ほんとに大丈夫?」
「っ…!」
そんな私を見てか…再び玲央くんは顔を覗き込んだ。
「だっ…!大丈夫…ッ」
「そう…?じゃあ行こっか?」
玲央くんはそう言って歩き出し私もそれに合わせて歩き出した――。
しばらくそのまま歩いていると…
段々とこの状況にも慣れてきている自分がいることに気がついた。
「…ねぇ、玲央くん」
だからもう、玲央くんの顔だって普通に見れる。
「ん?」
「このルール…知ってたの?」
「うん、知ってたよ。毎年同じだからね」
「そうなんだ。でも…何で私なんかを選んだの?」
実は…ずっと気になっていたこと。
玲央くんなら“組みたい”って思ってくれる子がいっぱいいるのに…
そんな子たちじゃなくって…何で私を選んだのか…ほんっとに謎…。
「それは…未亜ちゃんだから、かな?」
「へっ?」
それって…どうゆう意味??
玲央くんの言いたいことが全く分からない。
「てか着いたよ」
「えっ……あっ…ほんとだ」
そう言って見てみると…
“家庭科室”
第一チェックポイントの家庭科室前だった。
「中入ろう」
玲央くんに言われて中に入り置いてあったスタンプを押した。
「んじゃあ、次行こっか?」
「うんッ」
そう言って、また次の場所へ向かい始めた。
そして…
次の場所へ向かっている間、玲央くんと色々な話をしていて
玲央くんは時折…私に笑顔を見せてくれた。
そんな笑顔を見る度…
「っ…」
私の胸は少しだけ、ドキッとしてしまう。
やっぱり…この笑顔は好き。可愛いし、それに…かっこいいなって素直に思う。
だから“王子様”って言われるんだろうし…あんなにモテるんだろうなぁ…。