halcyon
「ごめんね、ユイ…もう耐えられなくなっちゃったから…」

きっと、これだけ言えば先生も全てを理解し納得するだろう。

「じゃあね…先生…」

立ち尽くす先生を背に僕は図書室を立ち去った。



放課後の廊下には一つの足音だけが響いていた。



高校一年生の終わり。



僕と先生との図書室で始まった不可思議な世界は、こうやって図書室で幕を閉じた。
< 154 / 211 >

この作品をシェア

pagetop