いつか見つけてね2
「逃げるなよ。

兄貴のこと信用してないのか?」

そう言って岳斗君がキッと私を睨む。



私は首を振った。

そして岳斗君のことを見ることができず下を向いたままで


「信..じて‥る.よ。」

と自信なく返事すると


ふわっと頭を撫でられて


「そうだろ。

じゃないと俺がいつでも奪うって言ってるじゃん。」


と少し冗談ぽく言ってくれたから私はコクコクと頷いた。



そして肩を抱いた岳斗君がベンチまで連れて行ってくれた。



「ちょっと待ってろ、荷物取ってくるからな。」


と言われて私はその場で座って待っているとカツカツと革靴の音が近付いてきた。







「Excuse me.」

そう言われて顔を上げると


「やっぱり美穂だ。」


そう言って目線を下ろすために膝をついた光信が目の前にいた。


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