【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?


「俺はもう亜瑚のそばにいられない。これ以上一緒にいたら……」


そう言いかけて、湊が口をつぐんだ。

そしてまた、私から目を逸らして下を向く。


「……そういうことだから。突然ごめん。
今すぐじゃなくても、少しずつ距離を置いていく方向でやっていこう」


湊はそう呟くと、目も合わせないまま家を出ていった。


バタンッとドアの閉まる音が、静寂の中で重く響き渡る。


そして家の中には私ひとりだけになった。

< 121 / 238 >

この作品をシェア

pagetop