【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?


力が抜けて倒れそうになる体を、床に手をついてどうにか支える。


湊……、なんで……?

愛せないなんて、そんなこと言わないでよ……。


「……うっ」


寂しいよ……。


「ふ……うっ、うぅ……っ」


気がつけば、いつの間にか溢れていた涙がポタポタとフローリングの床に落ちていた。


なんで涙が出るの……?

なんで止まってくれないの?

なんでこんなに……胸が潰れるくらい、悲しいの……?


……わかったよ。私バカだから、やっとわかったよ。

私、湊が好きなんだ……。


湊にドキドキするのも、今こんなに苦しいのも、湊が好きだから。


人は失ってから気づくんだね、本当に大切なものに。


私はひとり、涙の止め方もわからずに泣き続けた──。





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