【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
でも親父は俺が保育園に通い出した頃、家族を養うためにと工場を興した。
その工場は成功して、親父は途端に忙しくなり、毎日毎日工場に泊まり込みで働いていた。
家族を養うため。俺はそう理解していたから、親父に会うのが月に1、2度だとしても、不満は持たなかった。
……でも、母さんは違った。
小さい頃に両親を亡くし、家族の愛に飢えていた母さんは、親父に会えなくなるようになってから、どんどん変わっていった。多分、心の病気だった。
いつも笑って、抱きしめてくれた母さんは、いつの間にか跡形もなくいなくなっていた。