【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?


制服に着替えてリビングに行くと、だれもいなかった。


湊、先に行っちゃったんだ……。

多分、私に会わないため。


それなのに、テーブルの上には、私の分の朝食が置いてあった。


なんで朝食まで準備してくれてるの……?

なんで私をベッドまで運んでくれたの……?

なんでこんな時まで不器用に優しいの……?

私……湊の気持ちがわからないよ……。


ふと、楽しくふたりで朝食を食べてた時のことを思い出す。


『うわ! これすごくおいしくできた気がするんだけど……!』


『まぁ、合格』


『へへ、やった~!』


そう言って笑いあってたっけ……。

ね、湊……。


リビングに立ち尽くしていると、乾いた瞳から涙がまた溢れてきた。





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